新たなベルリンの壁が欧州に築かれる!?

心の壁

ベルリンの壁

32年前の今日、11月9日にベルリンの壁が崩壊しました。そのヨーロッパで新たな壁が出現しようとしています。第二次世界大戦後、東西ドイツを隔てていたベルリンの壁は自由と民主主義を求める東側の市民の手によって壊され、冷戦終結につながったことは皆さんご存知の通りです。

出典:CNN

ポーランドの壁

当時の東ドイツの更に東に位置するポーランドが現在、隣の国であるベラルーシとの国境に長さ100km以上におよぶ壁の建設を計画しています。難民や移民の流入を阻止するためです。ベラルーシとの国境地帯にはアフガニスタンやイラクから来た難民や移民が殺到し、11月8日には数百人が国境を越えようとして、押し返そうとするポーランド軍兵士との間で緊張が高まったそうです。ECはベラルーシ政府が反体制派の弾圧に対する制裁の報復として意図的に難民や移民を送り込んでいると非難し、国連も難民を政治的に利用していると批判しています。ポーランド政府は国境地帯に非常事態宣言を出して、10月29日には壁を建設する法案を議会が可決しました。

出典:Radio Free Europe/Radio Liberty

そして、こうした壁の建設はポーランドだけではないのです。

リトアニアの壁

ポーランドの北東に位置するリトアニアもベラルーシとの国境に長さ500kmの壁を建設する計画です。

ギリシャの壁

ギリシャはトルコとの国境に高さ5m、長さ40kmの頑丈な壁を建設しちゃっています。

出典:BBC News

不寛容の壁

冷戦時代には西側への市民の流出を阻んでいた旧東ヨーロッパの国々は今、EU域内から保護を求めてきた人々を拒絶する不寛容の壁を築こうとしています。更に東ヨーロッパやギリシャなど12カ国は壁の建設費をEUを負担するよう求めていますが、EUは仁重視の立場から拒否しています。アフガニスタンでは今年、2021年に入って70万人が家を追われ出国の機会を覗っています。また、アフリカのスーダンやエチオピアの政情不安により新たなの難民の流出が予想されるのですがEUにつくられる新たな壁によって行き場を失う人たちを如何に救うか国際社会の新たな課題となりそうです。

どうしてアフガニスタンで争いが続いているのか?

どうしてアフガニスタンで争いが続いているのか?でも紹介した通り、どれだけ平和を願っても、過去の経緯などから禍根も残り、なかなか情勢が安定しません。人々の心の壁が取り払われ、皆が平和で暮らせる未来は訪れるのでしょうか?

未来地図、十年一昔と言うけど進化は加速している!?

未来地図、十年一昔と言うけれど進化は加速している!?でも紹介した通り、2050年頃までには気候変動、環境問題により7億人が移住するというとても恐ろしい予測がされています。歴史を振り返ってみると、イノベーションをもたらすのは常に移民でした。大きな移動を抑えておくと、未来にイノベーションが起こる地域を予測できます。地球温暖化によってロンドン、香港、リオ、ムンバイ、上海などの巨大都市は水没、イタリア、スペイン、ギリシャは温度上昇により干ばつに苦しめられ、そして7億人の人口の大移動が起こり、日本にも大勢の移民がやってくることが予測されています。

 

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