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お金があれば幸せ!?
お金がなくて生活がカツカツになる、食べるためだけに働き、自分の時間を消耗すると心が寂しくなり、人生の選択肢が狭まってしまいます。とは言え、お金だけが貯まっても有益に使うことのできない人生は幸せでしょうか?
バランス
生活するために必要な消費とお金を増やすための投資と、心を豊かにするための浪費、このバランスが自分の価値観、ゴール目標と照らし合わせて大切だとリベ大の両学長は説いています。
恵まれた時代
そもそも現在の日本に生きていることと自体が幸せであるこをを認識することの大切さを橘玲さんはその著書で語っています。なぜなら、日本は世界中のどこを見てもトップレベルで安全で豊かな国だからです。また、かつての日本社会は極一部の特権階級しか豊かさにアクセスすることができなかったからです。江戸時代ならば生まれた瞬間に身分が決まっており、いくら努力しても努力してもどうしようもありませんでした。生まれた瞬間に人生は決められてしまっていた訳です。明治や昭和初期であっても平民が幸福について語ることはダブーでした。しかし、今ではより多くの人が幸福の条件にアクセスできます。スマホやSNSが発達し、あらゆる情報が無料で手に入ることによって努力次第で私達は幸福になることが可能な時代に生きているのです。昔では考えられなかった事ですが、現在では若者が自分ひとりの力で大きな富を合法的に掴める時代なのです。Youtuberやプロブロガーが一人で何億円も稼いているているという時代はかつてはとうてい考えられませんでした。ひとりでアプリを開発して、それを大手企業に売却して何億円もの利益を得ることなど絶対に考えられなかった話です。歴史を振り返れば今が経済的な成功への機会という意味で、どの時代よりも恵まれていることは間違いありません。すなわち、私達は今の豊かな日本に生きていることだけで既に大きな幸運を手に入れている、まずは自分が幸運であるという事を、これをしっかりと認識しなければいけません。しっかり認識した上で自分自身という最大の資産を活かして、より幸福になる方法について橘玲さんは説いています。
人的資本は富の源泉
人的資本への投資
アメリカの企業では従業員の年収はキャリアに連動しており、終身雇用制が崩壊し始めている日本においてもまもなくキャリア連動型に移行することが確実です。キャリアは職歴や会社内での地位のことだけではなく、MBA等の資格や博士号等の学位も含まれます。このキャリアによって給料が決まるため、アメリカの学生は借金をしてまでもMBAや博士号を取得しようとします。この行為こそが人的資本への投資であり、自分自身への人的資本を10億円、20億円へと増やそうとしています。投資というと株や不動産を買って収入を得ることをイメージしますが、資産運用の初期においてはお金を私達は持っていないので実は人的資本へ投資した方が合理的なのです。学歴や資格、専門性を得ることで自分自身への収入をアップさせることがお金持ちへの打一歩であり、上げた収入をコツコツ貯蓄することで例えば2,000万円といった資産が出来ます。そうすれば次に貯まったお金を投資することによって人的資本以外からも収入が得られるようになります。人的資本は人によって大きさがことなりますが富の源泉であり、最初は人的資本からしか富を得る方法はありません。今、私ができる事は、恵まれた日本に生まれた人的資本を最大限にふくらませることです。
仕事には3種類ある
今の世の中の仕事はマックジョブ、スペシャリスト、クリエーターに大きく分類できます。
マックジョブ
マクドナルドのようなマニュアル化された仕事で会社の事務職や工場労働などを指します。かつては職人仕事とされていたものがテクノロジーの進歩によってロボットやコンピュータに置き換えられ、マニュアル化が進んだ結果、勘や経験がなくても一定水準の結果が出せるようになり、外国人労働者でも代替可能になってしまいました。その結果、日本の製造業はこぞって人件費の新興国に移転し産業が空洞化してしまったのです。昔はある程度の経験が必要だったことも今では機械によってマックジョブになってしまう訳です。基本的に時給計算の仕事で、誰にでも出来る仕事ですから、収入は働く時間によって決まり拡張性は全くありません。マニュアル化されているため達成感がないかもしれませんが責任もないです。AIとビッグデータによってアルゴリズムに置き換えられていくと予想されています。
スペシャリスト
医師や弁護士や会計士などの何かしらの専門性を持っている人の事を指します。一般的にこれらの人々の時給は高く、大きな人的資本を持っていると言えます。扱える案件やクライアントの数には上限があり、例えば医者の収入は手術件数や患者の数によって上限が決まってしまいます。平均収入は高いものの無限に稼ぐ事ができない拡張不可能な仕事です。大きな責任を伴う代わりに平均して高い収入を得ています。当面はAIに完全に代替されることはなく、逆にAIと作業を分担することで収入が上がると予想されています。
クリエーター
Youtuberやインフルエンサー、俳優、作家、漫画家、音楽家などのことです。クリエーターは拡張可能な仕事に挑戦する人たちで、一度大当たりすれば信じられないような富を手にすることができますが、大半は鳴かず飛ばずのままです。世界中で何十万人もの人がYoutuberを目指していますが、生計を立てられるられる人は一握りで大抵は日の目を見ないまま没落してしまっています。AIに代替さることの可能性は低いですが成功できるのもごく一部の限られた人だけです。
幸福とは
自由(金融資産)、自己実現(人的資本)、絆(社会資本、家族など共同体)のどれかがかけていると不幸と感じるそうです。
参考 幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」橘玲
作家であり、社会評論家でもある橘玲氏の集大成ともいえる内容で、初めて「ひとの幸せ」について真正面から取り組んでいます。
幸福であることを条件づけるものは、「自由」「自己表現」「共同体=絆」の3つである。
橘氏は、「幸福」は、しっかりした土台の上に設計するべしとし、その人生の「インフラストラクチャー」を前述の3つに対応させて、以下に求めます。
「金融資産(資本)」「人的資本」「社会資本」。
この3つの資本の組み合わせによって生まれる「人生の8パターン」によって、すべてのひとびとの「幸福」のカタチが説明できるとしています。社会資本(中学からの友達ネットワーク)しかない田舎のマイドルヤンキーは、「プア充」。「友だちネットワーク」から排除されるとたちまち3つとも持っていない「貧困」に陥る。金融資産がなくても、高収入を得られる職業につき、友だちや恋人がいれば、人的資本と社会資本を持っている「リア充」。人的資本と金融資産があって社会資本がないのは、「金持ち」の典型、という具合。3つの資本をすべてそろえることは難しいが、せめて2つをそろえれば「幸福」といえる状態になるのではないか。では、どうすれば2つをそろえることができるのか…、そして「幸福」になれるのか、3つの資本を解説しながらその答えを追いかけます。