2025年1月13日の第103回全国高校サッカー選手権決勝戦での日本テレビの対応は、多くの視聴者の期待を裏切るものでした。
前橋育英と流通経済大柏の熱戦が、PK戦という最も緊迫した場面でCMに切り替わったことは、サッカーファンや両校の関係者にとって大きな失望を招きました。
この事態は、テレビ局の在り方や電波の有効利用について、深刻な議論を呼び起こします。
高校サッカーの決勝戦、しかもPK戦という、若者の夢と情熱が凝縮された瞬間を、広告のために中断することは、公共の利益よりも営利を優先する姿勢なのか、オールドメディアとなったテレビ局が意図せずその衰えを露呈しただけなのか、広告主たちはPK戦の放送を中断してまでも自社のCMの放送を望んだとは思えない。明らかにテレビ局の失態である。
テレビ局の責任と視聴者の期待
テレビ局、特に地上波放送局は、限られた電波資源を使用する特権を持つ代わりに、公共の利益に資する放送を行う責任があります。
全国高校サッカー選手権のような、国民的な関心を集めるスポーツイベントの中継は、まさにその責任を果たす絶好の機会です。
しかし、日本テレビがPK戦の最中にCMを挿入したことは、この責任を軽視したと言わざるを得ません。
視聴者、特に国立競技場へ応援へ行けなかった出場校の在校生や卒業生、生徒たちの親族や学校の地元の人々にとって、この瞬間がどれほど重要であったかを考えると、テレビ局の判断は非常に残念なものでした。
サイマル放送
テレビ局、特に地上波放送局は、限られた電波資源を使用する特権を持つ代わりに、公共の利益に資する放送を行う重大な責任があります。
全国高校サッカー選手権のような国民的な関心を集めるスポーツイベントの中継は、まさにその責任を果たす絶好の機会です。
しかし、日本テレビがPK戦の最中にCMを挿入し、中継を中断したことは、この責任を軽視したと言わざるを得ません。
この問題は、少なくともサイマル放送の活用によって回避できたはずです。
サイマル放送とは、同じ時間帯に同一の番組を異なるチャンネルや媒体で放送することです。
大谷翔平さんのMLBの試合中継でNHKが採用している方法です。サイマル放送を実施していれば、メインチャンネルでCMを放送しながら、別のチャンネルで試合の中継を続けることができたはずです。
しかし、日本のテレビ局は決断を誤りました。これは、視聴者のニーズにもはや対応できていないことを示しています。そもそも視聴者ニーズを把握できていないのかもしれません。
電波帯域の返上と再分配の是非
テレビ局は電波帯域を返上し、より効率的な用途に再分配すべきだという議論が再燃するでしょう。
携帯電話やモバイルデータ通信の需要が増大する中、限られた電波資源の有効活用は重要な課題です。
高校サッカーの決勝戦に出場した選手たちの家族や友人、学校関係者にとって、この試合がどれほど大切なものであったかを想像してみてください。
国立競技場で直接応援できる人は限られています。多くは、テレビ中継を通じてしか応援することができません。その貴重な機会が、最も重要な瞬間にCMによって中断されたのです。
この失望感は、単なる不満以上のものです。
それは、若者たちの努力と情熱を軽視されたという深い悲しみと怒りを伴うものでしょう。
テレビ局は、このような視聴者の心情を十分に理解し、尊重する必要があります。
オールドメディアへの警鐘
この事態は、テレビというオールドメディアに対する警鐘と捉えるべきです。
テレビ局が従来のビジネスモデルに固執し、視聴者の期待に応えられないのであれば、その存在意義自体が問われることになるでしょう。
斜陽産業となった地上テレビ局へは新規参入も期待されてなく、既存キーキ局は割り当てられいるが未利用のプラチナバンドを有効に使える見込みは全くありません。
それなのに、放送局は既得権益として無駄にしている電波帯域を手放しません。
もし、既存キー局に割り当てられてしまっているプラチナバンドを携帯電話に再割当てする事ができれば、もっと多くの人が緊急地震速報を受けられたり、災害時にも電話が繋がりやすくなって発着信もスムーズになり、救助できる人も増えます。
テレビ各局は未使用、活用することができないる電波帯域を自ら返上するべきではないでしょうか?