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グリーンフレーションとは
グリーンフレーション(Greenflation)とは、脱炭素に向けた動きを表すグリーン(Green)と、継続的に物価が上昇するインフレーション(Inflation)を組み合わせた新しめの造語なので聞きなれない方が大多数だと思います。私もこの秋に初めて耳にしたひとりです。
日本の製造業の危機
自動車や家電などに欠かせない部品を鉄屑を溶かして金型に流して製造しているような日本の製造業は鉄屑のインフレに苦慮しているとのニュースを目にしました。鉄屑の価格が1.5倍から2倍弱まで高騰しているそうなのですが戦後、このような事態はなかったそうです。
ガソリン価格や小麦など、さまざまな価格の高騰がニュースで報道されているので同じような事情で鉄屑も値上がりしているのかと思ったのですが、事情は全く違っていました。実は、日本の製造業を支えてきた中小企業に突如ダメージを与えはじめたのは脱炭素の動きだったのです。驚きました。地球温暖化対策でこれまでとは違い、予期せぬところに影響が及びはじめるんですね。
鉄屑が約2倍弱まで値上がりした理由
中国のカーボンニュートラルの取り組みが鉄屑の価格高騰に大きく影響していたのです。製鉄方法の方針を転換し、これまで鉄を製造する過程で多くの二酸化炭素を排出していたのを改め、二酸化炭素の排出量を最大3分の1程度までに抑えれらる鉄屑を再利用する方法を増やしているそうなのです。そのため、中国は世界中から鉄屑を集めたので鉄屑の価格が値上がりしたということなのです。
脱炭素とコスト
脱炭素は世界的な潮流なので、鉄屑に限らず、銅やアルミ、液化天然ガスなど他の原材料も価格が上昇が起こっているそうなのです。原材料が値上がりしているということ、今後、私たちの身近の様々なモノが値上がりしちゃうのかもしれません。
コロナ禍から経済活動が再開し、需要の高まりで世界的にインフレが起こっているという中、脱炭素との動きも相まって鉄や銅などの原材料価格の高騰が続くとなると、ここ数十年、物価が上がらなかった安い日本にも良い意味での変化が起きて欲しいモノですが油断できませんね。