週2日しかトレーニングすることができない忙しい、中級者向けのトレーニングの推奨メニューです。
このメニューは、コンパウンド種目とアイソレーション種目を組み合わせ、効率的に全身の筋肉を鍛えることを目的としています。
ジムに行く曜日、ジムに行けなくても自宅でトレーニングする曜日や時間帯を決めて、ルーチン化することで習慣を作ります。例えば、水曜日と土曜日など、定期的に行く日を設定します。
とはいえ、仕事や生活スタイルに合わせてスケジュールを調整し、「できる時」に柔軟に行うことも継続する上では重要です。
コンパウンドとアイソレーション
まず、「コンパウンド種目」と「アイソレーション種目」の違いから説明します。
コンパウンド種目は、複数の関節を使って複数の筋肉を同時に動かすトレーニングです。例えば、デッドリフトやベンチプレスなどがこれに当たります。これらの種目は、大きな筋肉グループを効果的に鍛えることができます。なぜなら、複数の筋肉を同時に使うことで、全身の筋力や安定性を向上させることができるからです。
一方、アイソレーション種目は、特定の筋肉を単独で集中的に鍛えるトレーニングです。例えば、レッグカールがこれに当たります。これらの種目は、特定の筋肉を強化するのに効果的ですが、一度に多くの筋肉を使うコンパウンド種目ほど全身の安定性やバランスを向上させる効果はありません。
ジムでストレッチした後、まずはコンパウンド種目、その後にアイソレーション種目を行うと効果的です。
では、部位別の効果的なトレーニングメニューを見ていきましょう。
土曜、日曜日しかトレーニングができない人は1日目の上半身トレーニングと2日目の下半身トレーニングと分けてトレーニングしましょう。異なる筋肉群を対象としているため、土曜日、日曜日を連続してトレーニングを行うことができます。
1日目 上半身中心のトレーニング
ベンチプレス (コンパウンド種目)
- 3セット x 8-12回
バーベルを斜め下に押す軌道を意識することで、大胸筋の力を最大限に活用できます。バーの軌道は「斜め下に降りて斜め上に挙がる」形が理想的で、これにより肩の怪我を防ぎ、重量アップにもつながります。
怪我を防ぐために、肩甲骨を斜め下に動かし、脇の開きを45°〜60°に保つことが重要です。また、バーを下ろす際は急加速を避け、コントロールを失わないようにしましょう。手首と肘の位置関係にも注意し、バーベルは手の平の下側に乗せ、手首から肘までが一直線になるようにします。これにより、100%の筋力を発揮できます。
チンニング (コンパウンド種目)
- 3セット x 6-10回 (補助台を使用する場合は8-12回)
正しいフォームを維持することが重要です。背中をまっすぐに保ち、首を過度に伸ばさず、肘をロックしないようにします。広背筋を効果的に刺激するために、胸を張って肩甲骨を動かし、大臀筋を収縮させて身体を大きく反らせます。また、ネガティブ動作時に腕の筋肉で耐えないよう注意が必要です。脇を閉めて腕を横向きに固めた状態でゆっくりと戻すことで、広背筋への刺激を維持します
ショルダープレス(アイソレーション種目)
- 3セット x 10-15回
胸を張り、やや上を向いて、バーベルを垂直に動かすよう意識しましょう。特に、バーベルが顎を通過する際に肩をすくめるように動かし、僧帽筋を使うことでインピンジメント症候群を予防できます。適切な重量設定も大切です。体重の60~80%程度を目安とし、10~15回を3セット行うのが効果的です。重量が重すぎるとフォームが崩れ、怪我のリスクが高まります。
ケーブルクロスオーバー (アイソレーション種目)
- 3セット x 12-15回
肘の角度を固定し、肩関節の内転動作のみで行うことが重要です。”開いて閉じる”イメージを持ち、肘を8割程度伸ばした状態を維持しましょう。また、胸を張り、背中が丸まらないよう注意し、肩甲骨を寄せることで大胸筋への負荷を高めます。怪我を防ぐためには、高重量を避け、適切な重さで行うことが大切です。重すぎると肩が上がり、怪我のリスクが高まります。また、ケーブルを戻す際は勢いよく戻さず、ゆっくりと筋肉に負荷をかけながら動作することを心がけましょう。
プーリーロー (アイソレーション種目)
- 3セット x 10-12回
背筋を伸ばし、胸を張った状態を保ちながら、肩甲骨を意識して引くようにします。反動を使わず、ゆっくりとコントロールしながら動作を行うことで、背中の筋肉に適切な負荷をかけられます。また、ハンドルの握り方にも注意が必要です。強く握りすぎると前腕への刺激が強くなり、背中への効果が薄れるため、必要以上に力を入れないようにしましょう
トーソローテーション (アイソレーション種目)
- 3セット x 15-20回 (各方向)
上半身をパッドにしっかりと固定し、腹斜筋を意識しながらゆっくりと体をひねります。動作は反動を使わず、ゆっくりと行うことで腹斜筋への刺激を最大化できます。重量設定にも注意が必要です。過度に重い重量は腰痛のリスクを高めるため、15〜20回程度反復できる適切な重量を選びましょう。また、呼吸を止めないことも大切です。ひねる際に息を吐き、戻す際に吸うというリズムを意識しましょう。これにより、血圧上昇を防ぎ、心臓への負担を軽減できます。
2日目 下半身中心のトレーニング
ブルガリアンスクワット (コンパウンド種目)
- 3セット x 8-12回 (各脚)
背中を丸めないよう背筋を伸ばし、体幹に力を入れることで膝や腰への過度な負担を避けます。動作にはメリハリをつけ、ゆっくりと下ろして素早く上げるなど、筋肉への刺激を意識しましょう。膝の位置にも注意が必要です。膝が内側に入ったり、つま先より前に出たりすると怪我のリスクが高まります。膝はまっすぐ前を向け、つま先と同じ方向に保ちます。また、台の高さを適切に調整し、脚の指を開いて足裏全体で支えることで、バランスを保ち前もも以外の筋肉にも効果的に刺激を与えられます。
レッグプレス (アイソレーション種目)
- 3セット x 10-15回
背中全体をシートにしっかりと付け、足幅は肩幅よりやや広めに設定します。膝が90度になるようにシートを調整し、プレートを押す際は息を吐きながら行います。怪我を防ぐために、膝を完全に伸ばし切らないよう注意しましょう。また、可動域を大きくとることで効果的な刺激を得られますが、無理に重量を上げるよりも、適切な重量で丁寧に行うことが大切です。足の位置を変えることで、ターゲットとする筋肉を変更できます。大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋など、目的に応じて足の位置を調整しましょう。
レッグエクステンション (アイソレーション種目)
- 3セット x 12-15回
グリップを強く握り、やや前傾して一気に重りを上げることが重要です。可動域を広くとり、伸ばした状態で動作を止めることで効果を高められます。呼吸も意識し、上げる時に息を吐き、下げる時に吸うようにしましょう。しかし、膝への負担が大きいため、過度な重量や頻度は避けるべきです。膝蓋下脂肪体や膝蓋靭帯、半月板、前十字靭帯に徐々にストレスが蓄積する可能性があります。スクワットなど、膝の前後の筋肉をバランスよく使う種目と組み合わせることで、膝への負担を分散させることが重要です。
アブダクション (アイソレーション種目)
- 3セット x 15-20回
背中を丸めず、胸を張り、股関節から意識的に動かすことで、効果を最大化できます。また、脚を完全に閉じきらないことで、常に筋肉に負荷をかけ続けることができます。怪我を防ぐためには、適切な重量と回数を選ぶことが大切です。無理に重量を上げすぎると、腰や股関節に過度の負担がかかる可能性があります。また、つま先は常に正面を向け、脚を振る際に体がねじれないよう注意しましょう。
ヒップスラスト (アイソレーション種目)
- 3セット x 12-15回
反動を使わずゆっくりと動作を行い、大臀筋を意識して締めながら持ち上げることが大切です。上げる際は太腿、腰、背中が一直線になるところまでで止め、腰を反らしすぎないよう注意してください。腰の反りすぎは腰痛や怪我のリスクを高めます。また、足の位置や膝の向きにも気をつけましょう。足幅は肩幅の1.2倍程度、つま先は20-30度外向きにし、膝がつま先と同じ方向を向くようにします。
1日で全身をトレーニング
火曜日と土曜日や水曜日と日曜日など、間を空けた週2日間しかトレーニングできない中級者向けのメニューとしては、1日で全身を鍛える全身法が効果的です。以下に、週2回の全身トレーニングメニューを見ていきましょう。
- ベンチプレス(コンパウンド種目): 8-12回 × 2-3セット
- ワン・レッグ・デッドリフト(コンパウンド種目): 8-12回 × 2-3セット
- ブルガリアン・スクワット(コンパウンド種目): 8-12回 × 2-3セット
- レッグプレス(コンパウンド種目): 3セット×10-15回
- ショルダープレス(コンパウンド種目): 8-12回 × 2-3セット
- チンニング(コンパウンド種目): 8-12回 × 2-3セット
- ラットプルダウン(コンパウンド種目): 8-12回 × 2-3セット
- プーリーロー(コンパウンド種目): 3セット×10-15回
- インクライン・ダンベルフライ(アイソレーション種目): 8〜12回× 2-3セット
- レッグカールアイソレーション種目): 3セット×12-15回
- ダンベルカール(アイソレーション種目): 8-12回 × 2-3セット
- アブドミナルマシン(アイソレーション種目): 15-20回 × 2-3セット
各エクササイズの間に適切な休憩を取り、正しいフォームを維持することが重要です。
また、各トレーニング日の前後にはウォームアップとクールダウンを行い、怪我を予防しましょう。
このメニューは基本的な構成なので、個人の体力レベルや目標に応じて調整することをお勧めします。