先日、新幹線の座席シートをリクライニングするのに後ろの座席の人に「倒しても大丈夫でしょうか?」と確認するシーンを見かけました。後ろの座席の人は「いいですよ」と答えましたが、訪ねた人は無言でシートを倒しました。ありがとうございますの一言ぐらい言えないのかなと違和感を感じました。新幹線のシートを倒すのにいちいち後ろの座席の人に声をかける必要はないとの意見の人もいますが、声を掛けたならばお礼の一言ぐらいあっても良いのではないでしょうか?
そう感じたのは「いのうえ歯科医院の理事長」である井上裕之さんの書かれた「本物の気づかい」を読んだ直後の出来事だったからかもしれません。気づかいの習慣について井上さんの著書を読んでみて見つめ直して見ることをオススメします。
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気づかいをすると成功しやすくなる
気づかいできない人よりも気づかいできる人の方が好かれやすいみたいです。誕生日にお祝いを貰ったら誰だって嬉しいですよね。気づかいをすると相手に「この人は私にすごく関心をもってくれている」「よく見てくれている」という印象を与えてくれ、その結果、気づかいができる人は周りから好かれやすくなるんですって。何気ない会話の一部をきちんと覚えてくれていたり、初対面に近かった人がきちんと名前と顔を覚えてくれていたりするとハッとして、こちらもその人のことを大切にしなきゃと思いますもんね。
人から好かれるとチャンスが舞い込んでも来るそうです。細やかな気づかいができる人だったら「友達に紹介してみようかな」と思われたり「仕事を頼みたい」と思われやすくなったりどんどんチャンスが舞い込んできて、その結果、成功しやすくなるのだそうです。挨拶もしない、人の話をあまり聞いていない等、気づかいできない人を「誰かに紹介しよう」と思わないですし、「仕事を頼みたい」とも思わないのは当然かもしれませんね。井上さんは著書で「気づかい」の反対は「手抜き」とおっしゃっています。目からウロコの発想ですよね。誰でもできるのが「気づかい」ですもんね。
相手の立場になって「気づかい」をする
自分が褒められると嬉しいのであれば、相手を褒めてあげればよいですし、妊婦やお年寄りの人が来た時には電車で席を譲ってあげればいいですし、小さなことでも「ありがとう」と相手に伝えるなど「相手の立場になって相手が喜ぶこと」「嬉しいと感じてもらえること」をすることだと井上さんは著書の中で説いてくれています。気づかいができない人は、基本的に相手の気持ちを想像できるのですが、私を含め多くの人が相手の人の気持ちを想像しきれていないのかもしれません。また、気づかいを躊躇してしまっている人には「気持ちは伝わるからやらないよりもやった方がよい」とアドバイスもされています。お年寄りに電車の座席を譲ろうと思って声を掛けて断られた経験があるとトラウマになって声を掛けにくくなりがちですが、躊躇せずに純粋な気持ちで声を掛けなきゃダメですね。
「気づかい」とはスピードの早さ
人は反射的に本音が出やすいものなので「気づかい」にはスピードが命と井上さんはおっしゃっています。確かに誕生日から数日たったのにLINEでお祝いされても嬉しくないですよね。できるだけ早いタイミングで対応することが気づかいですね。
「ありがとう」は魔法の言葉
「ありがとう」と言われた側は「自分のやった事を認めてもらえた」「わかってもらえた」と感じることで自己肯定感が高くなるなど嬉しいことしかない、「ありがとう」は魔法の言葉なので「すいません」や「ごめんなさい」が口癖の人は「ありがとう」に置き換える習慣にすることを井上さんは推奨されています。私はエレベーターに乗るときにドアの開くボタンを押してくれている人やお土産を貰った時に「すいません」と言いがちでした。
怒られたり、何かの指摘をされたときも「ごめんさい」や「すいません」よりも「ありがとう」と言った方が良いみたいです。先輩や先生からミスを指摘されたり、アドバイスを貰ったときには、私のために自分の時間を割いて、知見や経験をもとにアドバイスをしてくれていると考え、「気づきになりました。ありがとうございます。」と言うようにしたいですね。指摘されなければ同じミスを繰り返したり、成長がないままだったかもしれませんよね。感謝をもって応えることで「この子は素直だな」「この子は伸びしろがあるかも」と良い印象をもって貰える可能性も高く、「また何かあれば教えてあげよう」と先輩や先生から思って貰えればチャンスをすかむことができるような気がしますね。
井上さんは「①相手の名前」+「②感謝する事柄」+「③ありがとう」と3つを組み合わせるのがいいとおっしゃっています。例えば「井上さん、気づきを与えて頂きありがとうございました」です。人は自分の名前を呼ばれると高感度が上がるということが心理学でわかっているそうです。小さな気配りですが大きな効果があるんですね。
ダメだった時、断られた時に笑顔で「気をつかわないでください」
更に、不測の事態でも気づかいが差をつけることができるそうです。例えばドタキャンで平謝りしている相手に「全然大丈夫ですよ。気にしないでください」と笑顔で応える、損して得を取れということですね。逆にドタキャンされたことに不機嫌になって「今度しっかり穴埋めしてもらうから」など相手にきつい態度をとってしまうと、相手との関係は気まずくなって信頼関係が崩れ、長い目でみたときに損しまうでしょう。服を試着してみたけど迷って買わずにショップを退店する際に「じゃあ、また何かあったら宜しくお願いします」と感じよく笑顔で言ってくれるスタッフがいるお店にはまた買い物にでかけたくなりますよね。相手の不手際やこちらの思惑通りに事が進まないケースにおいても怒ったりしないでニコッとして相手の気持ちをグッと掴んでおくことが大切なんですね。
相手の時間を奪わない
時間というのは命そのものですよね。相手の時間を奪わないというのは相手の人生に敬意をしますことになると井上さんは考えています。相手の立場になっていればLINEでわかりにくい長文を送ることはないでしょう。要点をスッキリまとめて伝え、相手の時間を奪わない些細な気づかいできるようになりたいですね。
大切な人に会う時は身なりを整える
小さなことかもしれませんが、身なりに気をつかうのはコスパが良いし、やっておいて損はしないと井上さんもおっしゃっています。同窓会や晴れの舞台でジャージやだらしない服装だと印象が良くないですもんね。高級な服やバッグを身につけるということではなく、清潔感があるパリッとした服装やメイク、ヘアスタイルなど普段から身だしなみには気をつけたいですね。
つながっていたい人には1年に1度贈り物をする
人っていうのは、大人になるにつれて結婚や子育て、仕事に追われてしまって段々と人間関係が希薄になっていくそうです。友達とは結婚してから会っていないという人も多いみたいです。コロナ禍もあって会いたい人に会いにくくなっている中、繋がっていたいと思う友人や仲間に1年に一度は贈り物をすることを井上さんは推奨しています。旅行に行った時やディズニーランドに行った時のお土産でもよいみたいです。贈り物を介してお互いを思い合うことでつながりを保てることができるとのことです。確かにちょっとした事、例えば、引っ越しましたの連絡をLINEではなく贈り物を添えて連絡してくれると自分は大切にされていると思いますもんね。高価や貴重なものでなくても相手を思いやる気持ちを込めて、会えない時には会いたいという想いを込めてプレゼントを贈るって素敵ですね。
参考 本物の気づかい 井上裕之
ビジネスでの接待や過剰な関わりが少なくなっている現代においては、
気づかいの判断基準が難しく、「余計なことになるなら、しないほうがいいかも」
と思ってしまうシーンが少なくありません。しかし、いくら世の中やビジネスで簡素化・簡略化が進んでも、人は何かをしてもらったり、
してもらったことにお返しがあったりすれば、よろこびを感じます。これは、人の心理なので、変わることはありません。そのため、小さなことでいいので、
「気づかい」を心掛けてみてください。たとえば、
・贈り物をするプレゼントは、実際に手に取り、どんなものか確認してから送る
・仕事がつまっている同僚に、缶コーヒーの差し入れする
・上司が確認する資料に、付せんでひと言添える
・誰よりも早く誕生日のメッセージを送る
・些細なことでも「ありがとう」を欠かさず伝えるなど、ちょっとしたことで十分です。誰にでもできる簡単なことですが、これが人生を変えます。こうした気づかいをほとんどの人がしていないため、
気づかいをするだけで、自分にしかできない価値も生み出せます。「わたしは気が利かないから……」と悩まれる人がいますが、気づかいは、「習慣」にすることで誰でも身につけられます。まずは、「相手によろこんでもらいたい」という気持ちを
「行動」で表現するならどんなことができるか考えてみてください。気づかいのできる人は間違いなく人に好かれます。
そして、どんな仕事も相手によろこんでもらえたら成功します。本書では、能力や才能にかかわらず、
誰でも実践できる気づかいを紹介しています。「気づかい」だけで人生が変わることを、
ぜひ、実感してみてください。