ライフイベントでカモらている!?

振袖

成人式の振り袖の勧誘がしつこくて困っています。高校生の時から様々な業者から頻繁に電話、豪華なカタログが同封されたダイレクトメールがほぼ毎日送りつけられてきます。それだけ、儲かってるってことですよね。

新成人はカモ

一生に一度だから少しでも良い思い出にと、振り袖の相場を知らない消費者を相手にしたビジネス、あなたも成人式ビジネスのカモになってませんか?

 成人式と振り袖

実は成人式で振り袖は着るのは、昭和になって和装の「きもの」が売れなくなった呉服店、織物など、きもの業界が仕込んだキャンペーンだったって知ってましたか?日本でバレンタインでチョコをプレゼントするように仕組んだ菓子業界のキャンペーンは有名ですが、成人式の振り袖も業界に仕込まれたもので、まんまとカモられていることに気がついていない人が多いです。

 成人式のルーツ

なぜなら、昭和時代、授業参観には母親は着物姿で参加するのが通例だったそうです。サザエさんのお母さんのフネさんも毎日、着物ですよね。現在のような自治体が主催する形式での成人式がはじまったのは第二次世界大戦後で、1949年(昭和24)には成人の日が1月15日に指定されてます。当時は成人式は現在のように華美なものでもなく、若者にも人気がなく参加者もさほど多くなかったそうです。

困ってた自治体と業界の癒着!?

一生に一度の出費が狙われやすい

合法的な詐欺とも言えるのが、消費者の無知や心理的に漬け込んで金儲けするビジネスです。急な葬式、結婚式、七五三、成人式などライフイベントで何度も経験しないものに関連するビジネスって多いですし、日本独自の形式が多いですよね。それは日本で長く継承されたきた文化ではなく、日本で稼ぎたい人達が戦後の高度成長の波に乗って構築したマーケットなのです。出席率の低い成人式を改善するため、官民一体となって豪華な振り袖を正装として式典に出席しようというキャンペーンが行われました。そうしたキャンペーンに煽れ、華美な姿を同級生と競い合う図式が出来上がってしまったというこです。

きもの

戦後、普段着として「きもの」を着る人はどんどん減少しました。

西陣織の「きもの」の出荷量は1966年(昭和41)にピーク、出荷金額は1976年(昭和51)にピークを迎えています。

和装振興研究会報告書

 

1959年(昭和34年)当時の皇太子ご成婚での美智子さまの着物姿がきっかけとなって着物ブームが起こったそうです。

新成人の市場規模

エビデンスとか統計データをより具体的な例で示す。新成人数は減少傾向ですが、それでも2020年で約118万人、女性で58万人が新成人となるので市場としては小さくはないです。

新成人人口及び総人口に占める割合の推移

総務省統計局 新成人人口及び総人口に占める割合の推移

カモられないために

振り袖のレンタルと着付け、ヘアメイク、記念撮影のセットで約30万円です。新成人全員が振り袖をレンタルするわけではなく、親やおばなど親戚から譲り受けたり、新たに購入する場合もあると思いますが単純に女性全員がレンタルした場合の市場規模は1740億円/年となります。

業者間の競争

振り袖のレンタルビジネスは自転車操業です。数年後の成人式に借りる振り袖レンタル料として全額を支払う必要があります。一生に一度の思い出だらか、人気の色柄はすぐに予約されてしまうから早めに決断するように煽られます。業者としては58万人の取り合いです。「コロナ禍で成人式がキャンセルとなったら全額返金します」など、あの手この手で決断を迫ってきます。

「はれのひ」偽装倒産

横浜で振り袖の販売やレンタル、着付け、フォトスタジを経営していたいた「はれのひ」が2018年の成人式にいきなりバックレたのは記憶に残っている方も多いと思います。

カモにならなたいための行動

自分はカモにはならなたいと皆さん思うはずです。シングルペアレントの方のインタビュー動画を観て唖然としました。「子供に苦労をかけてきた。成人式は区切りとして立派な振り袖を着せてあげたい」と借金までして振り袖をレンタルしたそうです。そうした親の心情はとても素敵です。ただ、業者はそうした心理に漬け込んで、より高額な商材をレンタルさせたり、原価数百円の髪飾りを「定価3万円の髪飾りを先着〇〇様までの特別キャンペーンで1万円!」など、一生に一度の相場を知らない消費者に詐欺まがいのセールスを行ってきます。勧誘電話やダイレクトメール、展示会で騙される前に最低限、相場は事前に調べておきましょう。そもそも、成人式に参加する必要性、30万円の振り袖をレンタルして着る必要性から自問してみましょう。30万円の価格は相当の価値ではないこともあます。