SNSで私たちは他国に情報操作されている場合があります。注意しましょう。
目次
I-Soon文書の流出
2024年2月、中国のサイバーセキュリティ企業「i-SOON(安洵信息技术有限公司)」の内部文書が大量にインターネット上に流出しました。
GitHubに577点もの文書がアップロードされ、その内容は以下のようなものでした。
- マーケティング資料
- 契約書
- 製品マニュアル
- 攻撃ログ
- マルウェアの制御インフラ情報
- 顧客リスト
- 従業員リスト
- 顧客とのやり取り記録
- 社内チャットの記録
文書流出で明らかになった主な事実
i-SOONは公安部など中国政府機関と取引があった。
インド、ベトナム、マレーシア、タイなどのアジア諸国などの海外をターゲットに少なくとも14の政府機関、香港の民主派組織、大学から情報を窃取していた。
i-SOONは「Twitter世論操作・制御システム」と呼ばれるツールを開発していたことが文書から判明しました。このツールは大量のアカウントを一度に操作し、特定の情報を拡散させる機能を持っていました。このツールを使用することで、標的となるアカウントを黙らせたり、自分たちに有利な言説を広めたりすることが可能だったとされています。
SNSを利用した世論操作ツールの調査は続いていますが、中国政府が民間企業を通じて国家レベルのサイバー攻撃を行っていた可能性が高まり、国際的な緊張が高まる可能性があります。
日本において個人として情報操作に対処するためには
メディアリテラシーと批判的思考の向上
-
情報の真偽を見極める能力を養う
- 複数の信頼できる情報源を確認し、情報の裏付けを取る習慣をつける
- SNSなどの情報をそのまま信じず、元の情報源を確認する
-
クリティカルシンキングを習慣化する
- 感情や意見に左右されず、注意深く考える姿勢を持つ
- 相手の発言の背景や目的を考慮し、証拠に基づいて論理的に評価する
技術的スキルの向上
-
デジタルツールの活用
- 画像検索や出典元のリンク確認など、情報の真偽を確認するための技術的スキルを身につける
-
セキュリティ対策
- 個人情報保護やサイバーセキュリティに関する基本的な知識を習得し、実践する
学習と意識
-
継続的な学習
- メディアリテラシーや情報セキュリティに関して学習を続ける
- 最新の情報操作手法や対策について、常に情報をアップデートする
-
常に見直す意識
- 自身のメディアリテラシーやクリティカルシンキングのスキルを過大評価せず、常に改善の余地があると考える
日本は諸外国と比較して情報操作に対しての対策が遅れていると指摘されています。
これらの心構えや対策を日常的に実践することで個人レベルでの情報操作への耐性を高めることができます。
また、社会全体のメディアリテラシー向上にも貢献することができるでしょう。