金沢にある石川県立図書館は2022年7月にオープンした新しい図書館で、多くの特徴と魅力を持っています。
円形劇場のような大閲覧空間は、知識の探求と文化の交流を象徴する、図書館の中心的存在となっています。訪れる人々に、知的好奇心を刺激し、新たな発見への期待感を抱かせる独特の雰囲気を醸し出しています。
目次
石川県立図書館の特徴
- 開放感のある大閲覧空間:円形劇場のような迫力ある吹き抜けの大閲覧空間が特徴的です。建物の中心部に位置し、1階から4階まで吹き抜けの大円形空間が広がっています。この空間は、古代ローマの円形劇場コロッセウムを想起させるような、すり鉢状の段々になった構造をしています。円形空間の外周に沿って、茶色の書架が同心円状に配置されています。これらの書架は、まるで年輪のように層を成して並んでいます。1階から3階までの各層は、緩やかなスロープでつながれています。このスロープは螺旋状に上昇し、各階を滑らかにつないでいます。吹き抜けの天井は高く、中央部から柔らかな自然光が差し込みます。天井の色彩は、前田家の成巽閣にも見られる青色が用いられています。
- 豊富な蔵書:開架冊数は約30万冊、全体では約110万冊の蔵書があります。
- 多様な利用スペース:一般的な閲覧席に加え、飲食可能エリアや会話可能エリアなど、多様な利用ニーズに対応しています。各階の書架の間には、様々な形態の閲覧スペースが設けられています。これらは、書架の曲線に沿って配置されており、まるで劇場の観客席のような印象を与えます。上層階からこの空間を見下ろすと、まるで巨大なアリーナを見下ろすような感覚を味わえます。中心から放射状に伸びる通路や、円周に沿った通路により、空間内の移動が容易になっています。また、エレベーター、エスカレーター、小階段、ブリッジなどの多様な動線により、縦横の移動が可能です。円形の構造により、空間全体に柔らかな反響音が生まれ、静寂の中にも生き生きとした雰囲気が漂っています。
- 文化交流エリア:従来の図書館機能に加え、体験スペースなどを備えた文化交流エリアが充実しています。
- 地域文化の展示:石川県の工芸文化や風土を反映した工芸作品が館内各所に配置されています。
活用方法
- 多様な本との出会い:12のテーマに基づいて配架された本を散策することで、新たな興味や知識との出会いが期待できます。
- 学習・研究:約500席の閲覧席や貴重な資料を活用して、学習や研究に利用できます。
- イベント参加:屋内広場や「だんだん広場」でのイベントや催し物に参加できます。
- 子ども向けエリアの利用:約2,000㎡のこどもエリアがあり、家族で楽しめます。
おしゃべりできる図書館
石川県立図書館では基本的におしゃべりが許可されています。
- 「会話のできる図書館」として設計されており、館内の大部分でおしゃべりが可能です。
- ただし、大声での会話は控えめにする必要があります。周囲の利用者に迷惑になる場合は、スタッフが注意することもあります。
- 静かな環境を求める利用者のために、「サイレントルーム」という特別な静寂エリアも用意されています。
- 「おしゃべりOK」というルールは、図書館をより親しみやすい場所にするための工夫の一つです。
- この方針により、図書館は単なる読書や学習の場だけでなく、多様な利用者が交流できる「第3の場所」としての機能も果たしています。
- NHKのドキュメンタリー番組「ドキュメント72時間」でも、この特徴が取り上げられ、様々な利用者の姿が描かれました。
従来の「静かな図書館」のイメージを覆し、より開放的で利用しやすい空間を提供しています。ただし、他の利用者への配慮は必要であり、適度な会話を心がけることが重要です。
利用資格と注意点
- 利用資格:石川県内に在住・在勤・在学の方、および東海北陸地区(富山県・福井県・岐阜県・愛知県・三重県)にお住まいの方が利用できます。
- 利用者カードの作成:初回利用時には利用者カードの作成が必要です。住所と氏名を確認できる書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必要です。
- 利用者カードの有効期限:5年間です。期限後は更新手続きが必要です。
- 遠隔地サービス:県内の最寄りの図書館で本の受け取りや返却ができます。(金沢市立図書館を除く)
- 複写サービス:著作権法の範囲内で、調査研究目的に限り1人1部までコピーが可能です。
石川県立図書館は、単なる本の貸し借りの場所ではなく、多様な知的活動や文化交流の場として機能しており、幅広い利用者に開かれた施設となっています。金沢市民でなくても、条件を満たせば利用可能ですが、利用の際は上記の注意点に留意しましょう。
石川県立図書館周辺のおすすめスポット
近江町市場
金沢市民の台所として知られる市場で新鮮な鮮魚はもちろん、地元の加賀野菜、果物、能登牛などの肉、加工食品など幅広い食材が揃っています。
飲食店も多く、海鮮丼や寿司を楽しむことができます。
立ち食いスタイルの店から、座って食事ができる店まで様々です。市場内では様々な食べ歩きグルメも楽しめます。
春の旬な食材
ノドグロ(赤むつ)、カワハギ、たけのこ、金沢春菊
夏の旬な食材
アジ、イサキ、ハモ、スルメイカ、バイ貝、加賀太きゅうり、金時草、加賀つるまめ
秋の旬な食材
サワラ、ズワイガニ、カキ、香箱ガニ(メスのズワイガニ)、打木赤皮甘栗かぼちゃ、源助だいこん、さつまいも
冬の旬な食材
ブリ、タラ、アンコウ、ガンガゼ(ウニの一種)、フグ、加賀れんこん、金沢せり、くわい
尾山神社
加賀藩主前田家の祖先を祀る神社で、美しい庭園と歴史的な建物が特徴です。静かな環境でリラックスできます。
長町武家屋敷跡
江戸時代の面影を色濃く残す街並みが特徴です。土塀や石畳の小路、武家屋敷が立ち並び、まるで時代劇の舞台に迷い込んだかのような雰囲気を味わえます。金沢の歴史と伝統を色濃く残す魅力的なエリアです。
「曲がり真っすぐ」と呼ばれる独特の道路形態や、ジグザグに進む街路など、歩いて探索する楽しさがあります。
「曲がり真っすぐ」とは一見まっすぐに見える道路が、実際には微妙に曲がっています。敵の侵入を困難にするために設計された、江戸時代の武家社会の名残りです。
道の突き当たりを右に曲がると、またすぐに突き当たりがあり左に曲がるなど、「あみだくじ」のようにジグザグに進む構造になっています。
箔座
金箔は金沢の文化的アイデンティティの重要な一部となっています。金箔技術は伝統工芸として継承され、現代の芸術作品にも活用されています。
箔座では、店舗で箔づくり体験ができます。金沢の伝統工芸品を自分で作る楽しさを味わえます。事前予約が必要です。
金箔と金沢の関係は非常に深く、密接なものです。
金沢で金箔製造が始まったのは16世紀後半とされています。加賀藩の庇護のもと、金箔産業は発展を遂げました。1808年に幕府の製箔統制が緩和されると、金沢の金箔産業は飛躍的に成長しました。
現在、日本で生産される金箔の99%が金沢産です。これにより、金沢は「金箔の町」として広く知られるようになりました。
金沢茶寮
おしゃれなカフェで九谷焼の器に自分で色を塗る「金沢塗り」体験ができます。
完成した器で日本茶を楽しむこともでき、金沢の工芸と茶文化を一度に体験できます。
九谷焼は17世紀中頃、加賀藩の庇護のもとで発展しました。金沢は加賀藩の城下町であり、九谷焼の主要な生産地の一つとなりました。
「九谷五彩」と呼ばれる赤、黄、緑、紫、紺青の5色を使用した色絵が特徴的です。これらの色を巧みに組み合わせて、華やかで豪華な絵付けを行います。
せせらぎ通り商店街
せせらぎ通りは金沢市中心部にある特徴的な商店街で、用水に架かる橋を渡ってお店に入るヨーロッパ風の雰囲気があります。金沢の新しい観光スポットとして注目を集めてます。
飲食店を中心に、ブティックやインテリアショップなどが並ぶおしゃれな通りです。
加賀百万石祭り
江戸時代、加賀藩以外に百万石以上の藩はありませんでした。加賀藩が唯一の百万石以上の藩でした。
金沢百万石まつりは、金沢の歴史と文化を象徴する重要な祭りで毎年6月の第1土曜日を中心とした3日間で開催されます。
豪華絢爛な武者行列が金沢駅から金沢城までの約4時間をかけて練り歩きます。
400年以上にわたる金沢の伝統と文化が凝縮された加賀百万石の歴史を体感できるイベントです。
毎年40万人以上の観客が集まります。一般の方も行列に参加できる枠があり、事前に募集が行われます。
金沢で人気のお土産
九谷焼
豆皿、角皿、小鉢など九谷焼の特徴である鮮やかな色彩「九谷五彩」を使用した陶磁器、伝統の赤絵小紋、古九谷風、花鳥風月といった柄は貰った人が子孫にも残せていける定番中の定番のお土産です。ご自身が正月など特別な日に利用するために購入される方も多いです。
金箔製品
金沢が日本の金箔生産量の99%を占めており、食用金箔、金箔化粧品、金箔入り日本酒など極薄の金箔を使用した様々な製品がお土産として幅広い世代に人気です。お土産としては溶けてしまいますが金箔ソフトクリームも観光客に人気の商品です。
和菓子
きんつば(中田屋)、福うさぎ(金澤 福うさぎ)など地元の食材を使用した上品な味わいの和菓子が長く愛されています。
かぶら寿し
塩漬けしたかぶらに塩漬けした魚(ブリやサバ)を挟み、米麹で漬け込んで発酵させた「かぶら寿司」は独特のコクと香りが特徴です。金沢の伝統的な加賀の文化と技術が融合した独特の発酵食品として、今日まで受け継がれています。
かぶら寿しは発酵食品であり、適切に保存すれば数日間は持ちます。お土産用に適切に包装された商品が販売されています。冷蔵保存が基本です。
地酒
加賀鳶(かがとび)- 福光屋
華やかな香り、爽やかな旨味とキレが特徴、創業が1625年と金沢で最も古い酒蔵が醸し出す。
日榮(にちえい)- 中村酒造
穏やかな香りで飲みやすく、リピーターが多い
頭脳パン
ビタミンB1の効果を活かした機能性と、1960年代に誕生してから金沢の地域に根付いた文化的価値を併せ持つ、金沢の特徴的なパンです。金沢市内の様々な場所で頭脳パンを購入できます。金沢の製粉会社が開発した「ずのう粉」には通常の小麦粉よりもビタミンB1が多く含まれてます。
地元民にも人気のある金沢の飲食店
金沢には地元の人々にも愛される人気の飲食店が多数あります。
六角堂(ロッカクドウ)
卯辰山の中腹に位置し、金沢で1973年から半世紀以上の長きに渡って愛され続けているステーキハウスです。眺望が良く、地元の人々の会食や結婚記念日など特別な日の食事に人気があります。
近江町市場寿し
近江町市場内にある回転寿司店で、新鮮な地元の魚を使った寿司が楽しめます。金沢は回転寿司の激戦区としても知られており、多くの人気回転寿司チェーンが存在しますが近江町市場寿司には多くの地元の人々が訪れる人気店です。
オステリア・デル・ソーレ
地元の食材を使った本格的なイタリア料理が楽しめるレストランです。カジュアルな雰囲気ながら、料理の質の高さで地元の人々に愛されています。
金沢カレー
金沢カレーとはドロっとした濃厚なルーがステンレス皿に盛られ、キャベツの千切りが付け合わせです。定番のカツカレーも特徴的でルーの上にカツが載っけられ、その上にソースがかかっています。
GOGOカレー
海外にも展開する全国チェーンとなったGOGOカレーは金沢に本社があり、地元でも古くから愛されています。
チャンピオンカレー、ターバンカレー
チャンピオンカレーやターバンカレーなどより昔からある老舗の金沢カレー店を好む人も多くいます。
金沢おでん
北陸地方で一般的な赤巻きという赤と白の渦巻き模様が鮮やかなかまぼこやドーナツのように中央に穴が空いた車麩(クルマブ)、金沢野菜などの具材を使った金沢おでんはだし汁も含めて風味が特徴的で関東や関西など他の地域のおでんとは違った趣きで地元民に限らず観光客にも評判です。
赤玉本店
創業は昭和2年、金沢市の中心部に位置し、北陸最大級の繁華街として知られる片町の赤玉本店は金沢おでんの代表的なお店として多くの地元の人々に愛され続けています。
おでん居酒屋 三幸(みゆき)
一人でも気兼ねなく、金沢おでんとお酒を堪能できる地元民が二次会で足繁く通う名店です。
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