車検制度が日本の自動車産業を衰退させた!?

自動車

世界の車検制度は国によって大きく異なり、日本のような厳格な制度を持つ国もあれば、車検制度が存在しない国もあります。

日本の厳格な車検制度が日本の自動車産業を衰退させた要因なのでしょうか?

結論として現状の車検制度は改革すべきです。

車検制度の利点を維持しつつ、自動車ユーザーの負担を軽減することで、自動車離れの抑止と産業全体の活性化につながる可能性があります。

世界の車検制度

世界的に見ると、先進国では何らかの車検制度や車両検査システムが導入されている傾向にあります。しかし、日本の車検制度は特に厳格で、費用も比較的高額です。

アメリカの車検制度

アメリカには連邦レベルでの統一された車検制度はありません。一部の州(ニューヨーク州やカリフォルニア州など)では車検が義務付けられています。整備不良車両に対しては高額な罰金が科される州もあります。

ドイツの車検制度

日本と同様に、新車購入後3年目に初回車検を受け、その後は2年ごとに検査が必要です。検査費用は約3,000円程度です。

イギリスの車検制度

新車購入後3年目に初回車検を受け、その後は毎年検査が必要です。検査費用は約5,000円程度と比較的安価です。

イタリアの車検制度

新車購入後10年間は車検が不要です。その後は2年ごとに車検を受ける必要があります。

フランスの車検制度

法的な車検制度はありませんが、排気ガス規制などの独自のルールが存在します。

中国の車検制度

2014年まで厳格な車検制度がありましたが、その後大幅に緩和されました。現在は新車購入後6年間は車検不要で、その後2年ごとに検査が必要です。

新車検制度(2025/4/1〜)

2025年4月1日から車検制度が変更されます。

車検証の有効期間満了日の1カ月前から車検証の有効期間満了日の2カ月前からに車検受検可能期間が拡大されます。車検制度の変更に伴う直接的な車検費用の値上がりは予定されていません。

これまでは特に年度末は混雑して車検切れリスクがありましたが、車検の分散化により、予約が取りやすくなります。

自賠責保険の更新期間も2カ月前に拡大となるのですが、車検と保険更新のタイミングがずれる可能性があり、手続きが複雑化する恐れがあります。

新制度は抜本的な改革ではなく、まだまだ見直す必要があります。

日本の車検制度の改善案

初回車検を4年に延長するなど、車両の品質向上に合わせた見直し等、日本の車検制度は更なる改善策の検討が必要です。

改革を早期に実現することで車検制度の利点を維持しつつ、自動車ユーザーの負担を軽減することで、自動車離れの抑止と産業全体の活性化につながる可能性があります。

現代の自動車技術に合わせた、より効率的な検査方法を導入しつつ、自動車関連税の見直しや、検査費用の低減化が求められています。

日本の自動車産業の復活だけでなく、日本を元気にするために車検制度の早期改革を政治家や国土交通省の担当者は必死に検討しているのでしょうか?

自動車 自動車の維持費

自動車 中古車は買っちゃいけない!?

免許 白タクが横行、ライドシェア後進国の今後

自賠責保険の闇

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の本来の目的は、交通事故による被害者の救済と加害者の経済的負担の補填です。

国土交通省は自賠責保険制度の運営や監督を行っており、自動車損害賠償保障法に基づいて制度の維持・管理を担当しています。

全ての自動車やバイクに加入が義務付けられています。

自賠責保険の課題と撤廃に向けては抵抗勢力が暗躍しています。

財務省による不適切な資金運用

  • 1994年と1995年に借り入れた1兆1000億円のうち、約6000億円が未返済
  • 返済ペースが遅く、完済までに150年以上かかる計算

本来の目的からの逸脱

  • 被害者救済のための資金が一般会計の補填に流用されている

透明性の欠如

  • 資金の流用や返済に関する情報が十分に公開されていない

国民負担の増加

  • 財源不足を理由に自賠責保険の保険料の値上げが検討されている

撤廃に向けての抵抗勢力

抵抗勢力その1 財務省

  • 一般会計の補填として自賠責保険の資金を利用している
  • 返済に消極的な姿勢を示している

抵抗勢力その2 国土交通省

  • 財務省に対して強く返済を求めていない
  • 予算確保のため財務省との関係を悪化させたくない

抵抗勢力その3 保険会社

  • 自賠責保険が安定的な収入源となっている

抵抗勢力その4 自動車整備業界

  • 車検と連動した制度変更に抵抗する可能性がある

自賠責保険撤廃に向けて

自賠責保険の撤廃と車検制度の根本的な改革は、日本の自動車社会に大きな変革をもたらすために必須です。

車両所有者の負担軽減

  • 自賠責保険料の撤廃により、車検費用が大幅に削減される
  • 自動車保有のハードルが下がり、自動車産業の活性化につながる

国際標準への適合

  • 多くの国では強制的な自賠責保険制度がなく、日本も国際的な基準に合わせることでグローバル化に対応できる。

自己責任原則の強化

  • 任意保険への加入を促進し、個人の責任意識を高める
  • より安全な運転習慣の醸成につながる可能性がある

車検制度の簡素化

  • 自賠責保険と連動した複雑な手続きが不要になる
  • 車検の本来の目的である安全性確認に集中できる

政府の不適切な資金運用の防止

  • 自賠責保険の積立金を政府が流用する問題が解消される

新技術への対応

  • 自動運転技術など、新しい技術の導入に柔軟に対応できる制度設計が可能になる

これらの改革により、日本の自動車関連制度が現代のニーズに合わせて進化し、より効率的で利用者にとって負担の少ないものになることが期待できます。同時に、政府の不適切な資金運用を防ぎ、透明性の高い制度運営が可能になるでしょう。

車検制度や自賠責保険撤廃によって消費者負担が軽減されれば、自動車離れを抑えられる可能性が高いです。特に若年層や地方ユーザーへの影響が大きいです。

車検制度改革による簡素化やコスト削減は、日本メーカー全体の競争力向上につながる可能性があります。

車検制度や保険制度改革によって浮いた資金を、新技術開発(EV・自動運転)に投入することで、日産など衰退したメーカーの復活に希望が高まります。

日産自動車の経営危機の原因と自動車産業の未来については中田敦彦氏のYouTubeチャンネル「【日産の経営危機と自動車産業の未来】利益90%減…日産の生き残る未来とは?」も参考にしてみてください。非常にわかり易く解説されています。

YouTube player

中田敦彦氏のYouTubeチャンネル