ボケない習慣

認知症予防

悲しみ

想像してみてください、認知症が進んでいくと大好きな家族の顔や名前や、それまで生きてきた思い出や、愛情までも消えてしまう。自分がボケてしまったとき、大切な人がボケてしまうことの悲しみを。4人の専門家が監修した『長生きでも脳が老けない人の習慣』を手にとって読んでみてください。そして、大切な人、大切な人のために自分の脳の機能低下を食い止める生活習慣を学び、ボケる悲しみを少しでも回避するよう学びを実践しつづけたいですね。

脳の老化=認知症ではない

私達のからだは歳とともに老化していきます。そして脳は歳をとるにつれて脳の神経細胞が少なくなり、徐々に萎縮して小さくなっていくそうです。そして、この脳の老化によって起こる現象が認知機能の低下となります。つい最近の出来事なのに記憶があやふやだったり、人の名前をど忘れいてしまうなどの現象は脳の老化によって誰にでも起こることなのです。

ただし、加齢ではなく病気で認知機能があっという間に低下するのが認知症というものの正体なんですって。逆に脳を健康に維持することができれば回避できる病気でもあるとのことです。

もの忘れと認知症は違う

記憶の一部だけを忘れてしまうのが「もの忘れ」であり、全てを忘れるのが「認知症」です。また、「もの忘れ」の場合は自覚があるのでメモをとったり一生懸命に思い出そうとするのでさほど日常生活には支障はないのですが、「認知症」は忘れている自覚が全くないので忘れていることを気にしなくなるという大きな違いがあります。

アルツハイマーの原因は脳のゴミ

認知症の50%〜60%を締めているのが認知症の1種であるアルツハイマー病です。近年、そのアルツハイマー病の原因が少しづつ明らかになってきているそうなんです。2つのタンパク質が関与しているみたいです。

1つ目は「アミロイドβ」と呼ばれるものです。これは、脳が活動しているときに出る老廃物なのですが、本来は分解されて体外へ排出される脳の中のゴミです。老化によって分解排出システムが衰えてくると、脳の中にゴミが溜まっていくような状態になってしまうとのことです。そしてこの大量のゴミがくっついてうかたまって老人斑という毒性のものが出来上がってしまい、アルツハイマー病患者の脳にはシミや斑点のように広がっているそうです。

2つ目は「タウ」というタンパク質です。タウは脳の神経細胞に栄養などを運ぶ通路を支える成分とのことです。アミロイドβがゴミのかたまりとて溜まってくるとタウも変異して毒をもつ塊になってしまうそうです。このゴミの毒によって脳の神経細胞が殺されてしまうという仕組みみたいです。

認知症は治らない、だから遅らせる

脳のゴミはアルツハイマー病を発症させる25年くらい前から溜まりはじめ、発症から10年ほどで死に至ってしまうそうです。残念ながら認知症を完全に治す治療法はないみたいです。症状を軽くしたり、進行速度を遅らせる治療にとどまってしまんです。

だからこそ、認知症の手前の軽度の認知障害の段階で対策することが重要なんですって。

軽度認知障害はMCIとも呼ばれ、少し前にお願いしたことを忘れているなど「記憶障害」が起きているものの、日常生活に大きな支障はない程度の症状みたいです。

そして、この状態から5年間で40%が、1年間でも10%が認知症に移行すると言われているとのことです。認知症との大きな違いは軽度認知障害の状態で留まらせたり、正常な状態に回復させることが可能ということみたいです。

早期に発見し、進行を遅らせ、そのまま人生を逃げ切るというのが認知症との戦い方である示唆されています。

認知症は生活習慣病だった

軽度認知障害の進行を遅らせるためには生活習慣を改めることが最重要になります。

糖尿病になると認知症のリスクが格段にあがることが研究でわかっているそうです。糖尿病患者やその予備群は、そうでない人と比べてアルツハイマー病の発症リスクが5倍弱も高いという研究報告もあるみたいです。

糖尿病の原因と言われている偏った食事、運動不足、睡眠不足、過度なストレス、お酒の飲みすぎといった生活習慣のどれもが、アルツハイマー病の危険因子であることがわかってきているとのことです。

野菜や海藻、大豆製品をあまり食べない、塩分の多い濃い味が好き、お菓子が好き、肉料理が中心で魚料理はあまり食べないといった人も糖尿病の原因みたいなので注意が必要です。

少なくともアルツハイマー患者の3割から8割は脳梗塞や脳出血をともなっていることも判明しているそうです。実はアルツハイマー病は血管に障害が出る生活習慣病であり、脳の糖尿病なんですって。

認知症を予防するために何か特別なことをする必要はなく、よく言われているような生活習慣病対策を実践するのが一番ということです。生活習慣を改めることで進行を止め、認知症の発症を抑えたまま寿命を迎え人生を逃げ切りたいですね。自分にとっても家族にとってもその方が幸せですからね。

未知の出来事で脳が活性化する

ご飯を食べに行くときなどに、自分の行ったことのない新しい店に行くようにすると認知症予防として良いみたいですよ。人は老化が進むと慣れないことが不安やストレスになり、できるだけ慣れている環境を選ぼうとするそうです。店選びに限らず、脳の老化が進んでくると流行の曲などに興味がなくなって、懐かしの曲ばかり聞いたり、見慣れた映画を見直したりするとのことです。

しかし、脳の神経細胞は未知の出来事に出会うと、より活性化しえ働きがよくなるんです。つまり、同じ事ばかり繰り返していると、脳がマンネリ化して機能はどんどん劣化してしまうということです。

だからこそ、新しい店や場所に行ったり、聞いたことのない音楽などを意識して聞いてみるようにすること認知症の予防として良いのです。

ながら作業で脳が活性化する

洗濯モノを畳みながら歌を歌う、Youtubeを見ながらメモを取ろうとすると案外どちらかがおろそかになりませんか?こうした2つ以上の作業同時にやるのは簡単にできる認知症の予防効果のある脳のトレーニングの一種だったんです。

料理をしながら他の何かをするというのがオススメとのことです。料理自体が認知症予防効果が非常に高い脳のトレーニングなんですって。

料理というのは、買い物の段階から献立を決めて、料理の手順を思い出し食材を選びますよね。そして、調理中は食材をカットしながら鍋の火加減を気にしたり、手順を段取りしたり、お皿への盛りつけをイメージしたりと、はじめから終わりまで脳がフル回転しています。

それを、更に歌いながら料理したり、教育系Youtubeを耳で聞きながら料理するなど、いくつかの作業を並行して行うことは、脳の神経伝達ネットワークの働きを高めて脳を鍛えるトレーニングとして最適というとです。

実際に、料理をすることにより脳が広範囲で活性化することは研究でも明らかにされているですって。

認知症を防ぐ食生活

認知症にならないための基本ルールは次の4つだけみたいです。自分や大切な家族の悲しみを避けるためにも4つだけなら生活習慣を改められますね。

  1. バランスのよい食事を心がける
  2. 糖質を控える
  3. 抗酸化物質を積極的に摂る
  4. 塩分を控える

一般的によく言われているごく普通の生活習慣病を予防する食生活を実践することで認知症も予防できるということです。

また、認知症を予防する5つの食材も適量を摂取するようにしましょう。

  1. 青魚
  2. 野菜や果物
  3. 大豆製品
  4. オリーブオイル
  5. コーヒー、緑茶

参考 長生きでも脳が老けない人の習慣 角谷 建耀知、阿部 康二、森下 竜一、古和 久朋、河田 康志

「もの忘れが増えたかも」
「ちょっとしたことでイライラしてしまう」
「料理の味付けが変わった気がする」
…あなたや家族にこんな悩みがあったら、
MCI(軽度認知障害)かもしれません!

でも安心してください!
MCIに気がついて、しっかり対処すれば
脳の機能低下はまだ食い止めるチャンスがあります。

最新研究でわかった認知症から逃げ切る方法!
・2週間に1回の化粧が認知症を抑制
・体温を上げると脳のゴミが溜まりにくくなる
・23時以降に寝る人は認知症リスクが高い
・「ロスマリン酸」が脳のゴミ出し機能を高める
・カレーがアルツハイマーを遠ざける
・ 「1日2杯の緑茶」「1日3杯のコーヒー」が脳に効く
・ 糖尿病患者の認知症リスクは4.6倍
・ パズルより「ながら作業」が脳の刺激になる
・患者の「子ども扱い」は逆効果
…etc.