二酸化炭素がお金に!?

温室効果ガス

えっ、二酸化炭素がお金になるって

森や林を保護する活動、植林などによって発生する温室効果ガスの削減量を「クレジット」という形式で発行し、地球温暖化対策として、企業等との間で売買できるようにする仕組みのことを炭素クレジットとはカーボンクレジットと言うのって知ってました?

二酸化炭素(CO2)排出量削減に必要なのは「イノベーション」と「ファイナンス」が重要であることが指摘されていますが、カーボンクレジットはファイナンスとしてのアプローチですね。

アメリカでは有休農地、作物を集約し終わった後の農地に収穫物としない植物を植えることで二酸化炭素を土の中にとどめる効果がある。削減できる分をクレジットの形で売っています。温室効果ガスを削減できるようにする農家の人達がお金を得られるという事です。地球にもさやしく、農家の経営にもやさしい面白い仕組みだと思ったので私達のような個人でも参加して利益を得ることができないか調べてみました。

1 温室効果ガス削減量が売れる理由

何故、二酸化炭素を買う企業があるのか?二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることを目指す企業が増えているらしいが、企業は純粋に地球温暖化対策として自分の企業活動での二酸化炭素の排出量をゼロにしようとしているのか?炭素クレジットの需要は増している本当の理由は何だと思いますか?

2 企業側の事情

実は、「省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)」や「地球温暖化対策の推進に関する法律」で温室効果ガスの排出量の報告を求められている企業や、投資家から高い評価を得たいという思惑を実現しようとCO2削減目標が重要になります。目標を達成するために、自社のCO2削減だけでなく他社のCO2削減実績を購入し、自社の削減実績に加えるというトリッキーなことができるのです。

3 国の制度も

なぜなら、日本ではCO2などの温室効果ガスを再エネルギーなどで削減、または、吸収した量をクレジットとして認証する「J-クレジット制度」という国の制度もあり、削減量をクレジット化し、それを削減目標としている企業に販売することで収益化することもできるようになっています。アメリカでも環境政策を重視するバイデン政権の元、炭素クレジットは「新たなゴールドラッシュ」として期待されています。

環境省 https://www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/carbon_offset.html

カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方です。イギリスを始めとした欧州、米国、豪州等での取組が活発であり、我が国でも民間での取組が拡がりつつあります。

個人でも販売できる!?

この記事では、私達のような個人でも二酸化炭素を企業に販売できるのか調査した結果を簡潔にまとめています。

心のイノベーション

この記事を読むと環境問題に興味なかった方にも心の中でイノベーションが起こること期待しています。個の力や意識だけで環境を変えることは難しいしですが、温室効果ガス削減がビジネスになっている現状を把握することで環境対策への意識が変わるはずです。

個人でもお金になるが、ハードルは高すぎる

結論から言うと、私達の個人でも二酸化炭素を企業に販売してお金にすることは可能です。ただし、フリーランスの方がメインの仕事としてコレだけで食べていくにはリスクが大きそうです。地球にやさしくても自分が食いっぱぐれてしまっては意味がないですよね。

個人が二酸化炭素削減量を販売する方法

私達のような個人が自分自身や家族が吐き出す息(=二酸化炭素)をビニール袋やポリタンクに閉じ込めても、その量には限界がある。そもそも、売るのは二酸化炭素ではなく、二酸化炭素を削減するものだ。

個人の努力だけではプラスチックゴミを減らせない!?

販売するためには

1 何が売れるか

石油や石炭といった化石燃料をエネルギー源と違い、二酸化炭素や窒素酸化物などの有害物質を排出しない、排出量が少ない風力発電や太陽光発電、地熱発電や水力発電などのグリーンエネルギーを使って発電された電気の環境価値を証明として見えるかし、市場取引を可能とするグリーン電力証明制度というものがあるのです。つまり、その制度を利用して売れるのが「環境価値」となります。

2 環境価値

企業や自治体は使用する電気量に相当するグリーン電力証明を購入すると、使った電気をグリーンエネルギーとしてみなすことができます。「環境価値取引」にはグリーン電力証明書の他にも、J-クレジットや非化石証明書など環境価値を可視化する官民のシステムが存在しています。

3 個人が環境価値を買うには 具体例

J-クレジットをはじめ、CO2排出削減量に相当するクレジットの購入を行うことで、私達のような個人が日常生活で排出するCO2の量をオフセットすることも可能です。その場合は、個人用のプログラムを用意している仲介事業者などを通して販売すると煩雑な手続きが少なくて済むようです。

この場合、例えば年間の二酸化炭素削減量を5トン削減する月額700円のプランを購入するといった具合です。

エビデンスとか統計データをより具体的な例で示す。

4 個人が環境価値を売るには

経済産業省・環境省・農林水産省が運用している「J-クレジット制度」では3つの売り方があって、炭素クレジットを個人でも販売することができます。

4-1.プロバイダーによる仲介

J-クレジットに登録(認定、認証ではなく登録です)しているJ-クレジット・プロバイダーと呼ばれる事業者を通してクレジットを売却する方法です。クレジットの価格や売却方法はプロバイダーとの間で決めることになります。

4-2.売出しクレジット一覧へ掲載する

自分がつくった、つくる予定のクレジット情報をJ-クレジットが指定する一覧(売り出しクレジット)に掲載しておくことで購入者を募集する方法です。価格は購入者との間で決めることになります。

4.-3.入札販売へ参加する

売り出しクレジット一覧に掲載してから半年以上経過したクレジットをJ-クレジット制度事務局が実施する入札販売で売却する方法です。価格は指定できず、落札で価格が決まります。

J-クレジット制度事務局

4.-4.t-CO2とは

二酸化炭素トンとは、二酸化炭素その他の温室効果ガスの排出、吸収、貯蔵等の量を、相当する温室効果を有す る二酸化炭素の重量に換算した単位です。私達がレジ袋を使わず、エコバックを活用して年間約58kgのCO2の削減です。

まとめ

個人でクレジットを売却できる仕組みが理解できても、クレジットを生み出すのが課題です。先祖代々の山を受け継いでいる、広大な土地で太陽光発電がでくるといった方以外は個人でクレジットを売却するにはハードルが高すぎますね。また、継続的にオフセットを販売するには山の森林の維持コスト、太陽光発電のための初期投資コストと設備メンテナンスコストも必要なので収益化にはそれなりのスケールが必要となってきます。

私達のような個人が簡単にカーボンクレジットで利益を得るのは容易ではないですが、削減努力をしている、実行している企業や自治体に目を光らせておくことは重要ですね、お金には直結しませんが。