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中央銀行デジタル通貨
Central Bank Digital Currency、略してCBDCって絶対に覚えておいた方が良さそうです。なぜなら近い未来にお金の当たり前がCBDCになると予測されているからです。その時には、CBDCという表現ではなく、CBDCのことを私達は普通にお金と表現しているんでしょうね。なぜなら、お金の歴史を振り返るとお金は変化・進化しているからです。
野口 悠紀雄さんの書籍、CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃を読んで現状を把握し、未来を正しく恐れ、その未来に今から備えておくことをオススメします。
デジタル通貨が世界を変える
デジタル円、デジタルドル、デジタル人民元など国が発行するデジタル通貨の開発で世界が完全に変わってしまうと言われています。交通系の電子マネーやPayPayや楽天PayなどのQR決済もコロナ禍で雑菌が繁殖している紙幣や硬貨を避けるキャッシュレス化の意味でも日本で一気に一般化した感じがありますが、国が発行するデジタル通貨とは大きな違いがあります。交通系の電子マネーには入金できる限度額があり、PayPayや楽天PayのQR決済では友達とかの割り勘で送金できる金額に上限があるのであくまでも現在のお金の補助的な役割となっているが実情です。しかもお店側が手数料を支払うことに合意した加盟店だけで使えるといった制約も伴っていますよね。
ニーズ
銀行インフラが整備されていない国々、例えばアフリカなどでは銀行口座をもっていない人が多く、国外で出稼ぎ労働して得たお金を国元の家族に送金すらできません。仮に口座を持っていて送金できたとしても割高な送金手数料を支払う必要があり、送金完了までには時間がかかります。グローバルでビジネスを展開している企業もこの送金手数料がバカにはならないのでタダに近しくなり、スマホやPC一つで世界中に送金がほぼリアルタイムで行える仕組みに期待が集まっているのです。
中国が先行
CBDCは2022年2月の冬季オリンピックで導入すると中国は宣言しています。アメリカや日本は整備されてしまった銀行インフラがネックになって導入が遅れています。日本では明治以降に発足が続き、かつてはエリート大卒の人気の就職先であった銀行が不要になるからです。利子がほぼ貰えなくなっている現在、銀行の意義はお金の保管庫、電気ガスや携帯料金の支払いなど送金などになっています。その役割を中央銀行が担うと三菱UFJ銀行やみずほ銀行、その他多くの銀行は不要になりますよね。一等地のビルも不要となって、多くの失業者が出てしまいます。
そうした課題に躊躇していても、日本人や日本の企業がほとんどの預金をデジタル人民元に換金してしまえることを考えると銀行の未来は明るくないですよね。金貸し屋さんとして生き残るかもしれません。
犯罪者有利!?
デジタル通貨はそのテクノロジーから匿名で多額の送金が可能となるので犯罪者や犯罪組織が有利になってしまうという課題もあるみたいです。犯罪者に有利にならなくするために、匿名での送金に上限額を設けたり、手数料を割増にしたりなどルールを複雑にしてしまうと良質なサービスが劣化していく可能性もあります。
世界の変化
歴史で習った通り、第一次世界大戦まではイギリスのポンドが世界の基軸通過でした。その後、アメリカのドルが基軸通貨となり現在に至っていますがデジタル通貨の普及で世界のバランスが変わるのかもしれません。経済圏やデジタル通貨の取引情報からのデータビジネスへの展開など覇権争いが加熱しそうですね。その中には日本のデジタル円は存在しないのかもしれません。Uberの導入が遅れてしまったように既得権益に縛られ進化ができなくなった老人の日本は他の経済圏に飲み込まれる可能性は高いかもですね。
参考 CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃 野口 悠紀雄
ついに始まった「通貨覇権戦争」の本質を、第一人者が徹底解説!
各国の中央銀行が乗り出した通貨システムの大変革が、ビットコインとは比較にならないほど巨大な影響を、世界に与えようとしている。送金情報を国家が把握し、市中銀行が崩壊するという懸念。通貨覇権を目指す「デジタル人民元」を前に、大きく後れを取った米国と日本。「デジタル通貨危機」を乗り越える道を明らかにする。