【知らないと危険】お風呂・サウナのヒートショック対策

風呂

交通事故で亡くなる人のおよそ7倍ほど人がお風呂など入浴に関係して死亡しちゃっています。

厚生労働省「入浴関連事故の実態把握及び予防策に関する研究」によると入浴関係で亡くなっている人の数は推計で年間1.9万人にもなります。

入浴関連で死亡しない為の対策

入浴前後に対策することで死亡リスクを下げることができます。人気のサウナにも正しく入ってください。

入浴前の対策

  • 入浴する前に脱衣所を暖めておく。ただ、衣服の繊維によって電気ストーブから出火するケースが多いので注意すること。
  • 浴槽のフタを開けておく、床に熱めのお湯をかける、シャワーを使って浴槽にお湯を入れることで湯気を活用するなどの工夫をして浴室内の温度を服を脱ぐ前に十分に暖めておくこと。
  • お風呂に入る前にコップ1杯程度の水を飲んでおく。たくさん飲みすぎると血液が薄まりすぎて逆に心臓に負担がかかりすぎてしまうので適量にすること。
  • 食後すぐの入浴は避けること。
  • お酒を飲むなら入浴後にすること。

入浴中の対策

  • 浴槽に入る前には手足に掛け湯をして体がゆっくり温まるようにすること。
  • ほんのり汗ばむ程度の入浴にしておくこと。
  • 浴槽から出るとには急に立ち上がらず、ゆっくりと出ること。急に立ち上がると脳への血流が減って失神することがあるので注意すること。

サウナに入るときの対策

  • お酒を飲んだ後は絶対にサウナに入らないこと。
  • 外気浴など休憩をすること。
  • サウナ室内で上段に腰掛け、下段に足をつく座り方だと、頭と足には10〜15度程度も温度差が生じ、更には心臓への負担も増してしまうので、サウナ室ではあぐら座や体育座りなど体の高低差をできるだけ無くして、全身をくまなく温めるようにすること。
  • サウナ⇨水風呂⇨外気浴セットの間には十分に水分を補給すること。血液の流れをよくしておかないと血栓ができてしまうリスクが高まります。

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女性の正しいサウナの入り方 女性の正しいサウナの入り方

温度の急変に伴う体調悪化が原因

特に高齢者の入浴に関連した事故が多いです。65歳以上が80%、特に75歳以上の高齢者の入浴関連死が多いです。

若ければ血圧が変動しても血管がしなやかなので受け止めることができますが、高齢者は血管が硬くなっているので血圧変動に血管が対応できないのです。人気のサウナも注意しないと若者でも危険です。サウナ室から水風呂にはいるときにもヒートショックは起きています。水風呂から出たときに失神して転倒して出血や骨折するなどの事故も発生しています。ヒートショックと呼ばれる温度の急変に伴う体調悪化が原因で、心筋梗塞や脳梗塞、不正脈といった命に関わる病気につながります。

ヒートショックの予防

特に冬場は高齢者の入浴に関連した事故や死亡者数が多く、死亡者のうち浴槽内での溺死の割合が高いです。

浴槽の中で血圧が下がることで意識が遠のいて眠ったような状態になってしまうのです。運が良く目が覚めても力が入らなくなり、全身がつった状態になって溺死に至るケースが多いのです。

暖かい場所から寒い場所へ、または、寒い場所から暖かい場所へ移動するなど急激な温度変化で血圧・心拍数が大きく変化し体にワルイ影響を及ぼすのがヒートショックです。

冬場の入浴時は寒い脱衣所では血管が収縮して血圧が上昇し、寒く、冷えた床の浴室に入ると更に血圧が上昇します。

そして、お湯に浸かると血管が拡張するので血圧が急降下、としったように入浴時は短時間で血管が収縮・拡張することで血圧が乱高下して心筋梗塞や脳梗塞の誘発リスクが高まっているのです。

血圧の変化が起こると脳や体の血管の弱いところが破れてしまいます。

特に心臓や脳に持病がある人や高血圧、糖尿病、脂肪異常症、不正脈がある人は注意が必要ですが次の環境や生活習慣条件に当てはまる人は要注意です。

  • 一番風呂に入ることが多い
  • 熱めのお風呂に長く入ることが好き
  • 脱衣所や浴室が極端に寒い
  • 飲食・飲酒後にお風呂に入ることが多い

ヒートショックは予防可能です。以下の対策を実践することで、入浴中の事故リスクを大幅に減らすことができます。

  1. 入浴前の準備: 脱衣所や浴室を暖房器具で暖めましょう。
  2. 適切な湯温: お湯の温度は41度以下に保ち、入浴時間は10分を目安にしましょう。
  3. 入浴のタイミング: 食事直後や飲酒後の入浴は避けましょう。
  4. 入浴時間: 午後2~4時頃の入浴がおすすめです。
  5. 一人での入浴を避ける: 可能な限り、家族の見守りがある時間に入浴しましょう。

命を救う方法

入浴中の異変を早く発見することが重要なので同居する家族に声をかけてから入浴するようにしましょう。長すぎる入浴や音がしない、逆に大きな音が突然した場合は家族が躊躇せずに声をかけることで早期に対処できるようになります。

万が一浴槽で家族がぐったりしていたらスグに栓を抜いて排水して救急車を呼んでください。お湯を抜かずに浴槽から動けなくなった人を出そうとしても重く、濡れていては出してあげることはできません。

お湯を抜きつつ、意識があるか、呼吸をしているか、脈拍があるかを確認してなければスグに心臓マッサージをしましょう。

ひとり暮らしの方への注意

ひとり暮らしの場合でも、以下の対策を講じることが重要です。

  1. 家族や友人に電話して入浴前後の安否確認をしてもらいましょう。
  2. 風呂ではない玄関やトイレなど主要な生活動線にセンサーやカメラを利用した見守りサービスの導入を検討しましょう。
  3. こまめに電話で一緒に住んでいない家族や友人と連絡を取り、生活状況を共有しましょう。

ヒートショックは健康な方でも起こり得るため、他人事と考えず、これらの知識を実践することで、死亡事故のリスクを大幅に減らすことができます。

幕末の偉人、坂本龍馬が姉の乙女に宛てた手紙にて「うんのわるいものは風呂に入ろうとして金玉をつめ割りて死ぬものもいるが」といった例えを用いることで、自身の運の強さを表現しています。

坂本龍馬のような強運に恵まれていない私たちにとって、ヒートショック予防は命を守る重要な習慣です。

ちょっとした気の緩みが取り返しのつかない事態を招くこともあります。

入浴時の安全対策を日々の生活に取り入れ、家族や友人との大切な時間を守りましょう。

温度差に気をつけ、適切な湯温と入浴時間を守ることで、私たち一人一人が自身の健康と安全を守る「龍馬」になれるはずです。