電線のない街

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未来都市

トヨタの未来都市が昨日、2021年2月24日着工されたとニュースで流れてた。コロナ禍になる直前、2020年1月、トヨタの社長がラスベガスで構想を発表した時に流された未来都市のイメージ映像を見て「電線がない街なみだ」という第一印象だったのを思い出した。トヨタが目指す未来都市はそういう事では無いのですが映像を見て単純に私はその印象が強く残った。

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出典:YouTube トヨタ自動車株式会社株式会社チャネル

電線と電柱

今でも電線が地中に埋め込まれて電柱と電線が無い街はある。東京駅 丸の内界隈は電柱が無く、ネオン看板も規制されているので整った景観ですよね。

marunouchi

東京 丸の内

景観、安全、防災を目的として国土交通省は無電柱化を推進しているようです。

対策前後を写真で比較すると電線と電柱が景観を阻害しているとこは明らかですね。

また、雨の日、傘をさしていると電柱が邪魔して通り抜けられない歩道って嫌ですよね。ちょっと車道側にはみ出して迂回すると危ないし。晴れていても電柱が歩道の幅を狭め、すれ違う時に譲り合いが必要な場所って意外とたくさんあります。無電柱化はこうした課題も解決して安全性と快適性をもたらしてくれます。

更には地震や台風で電柱が倒れると危険ですし、倒れた電柱が道路を塞いで避難行動の妨げになるだけでなく、消化活動や救助活動、救援物資の運搬の妨げになるので防災面でも電線を地中に埋める作業を3年前(2019年2月)には1400kmを目標に計画していたようです。

無電柱化の現状

昨年、2020年6月の国土交通省レポート「無電柱化の推進に関する取組状況」によると目標が1000km延長され約2400km分の電線を2020年度中(2021年3月末)には地中に埋める計画に見直していた。しかし、2019年度(2020年3月末)時点で約900kmの進捗と同レポートに記載されているので目標未達成なのかもしれませんね。無電柱化には1000億円もの国費が2019年度だけも予算計上されているのでお金はかかりますね。おそらく計画通りには進んでないと思われます。国土交通省HPを調べてもGoogle先生に尋ねても計画の現時点に近い実績進捗は報告されてませんでした。

 

進捗を調べている途中で海外と日本の無電柱化の整備状況の比較データにたどり着いた。そのデータを見て何回か訪れた事のパリには言われてみれば電線が無かった事に気づいた。パリ街並みは綺麗だが油断すると犬の糞を踏んだり、オープンテラスなど飲み屋の前はワインやタバコの吸殻が散乱して汚いので、避けて歩くために下を向いて歩いていたので電線がない事は現地では全く気がつかなかった。国土交通省HP掲載データによるとパリだけでなく、ロンドン、香港やシンガポールも100%無電柱化の街のようだ。

安心/安全と利便性

10年前、2011年3月の東日本大震災発生からしばらくの間、断片的に停電となって電気のありがたみを痛感した。その電力の大部分を供給している原子力発電の危険性も体感した。電柱や電線が地中に無くても、電気が無い生活は想像できない。東日本大震災をキッカケに太陽光発電をする家庭も一時的には増加したようだが売電価格の下落で普及率は決して高くは無い。安心/安全と利便性、快適性を兼ね備えた街は電力などのインフラ整備だけに依存するものではなく、その街で生活する人にも依存する部分が大きいのだと思う。少子化で日本の未来が危ぶまれている中、 未来都市の中でどんな生き方をしたいのか、その生活の中で社会とどのように関わり貢献できるかを模索し続ける人々が自ずと集まる事が未来都市を形成し、発展させ続ける厳選と私は思う。